このレッスンで学べること
CRM/SFAツールを活用することで、コンテンツマーケティングの成果を最大化する方法を学びます。このレッスンを「コンテンツマーケティングを始める準備をする」「ナーチャリングとスコアリングを活用してMQLを創出する」「成果につながるコンテンツを見極める」の3つの段階に分かれており、CRM/SFAツールを通じて効果的なコンテンツマーケティンを実現する手順を学んでいきます。
このレッスンでは、最初のステップである「コンテンツマーケティングを始める準備する」に焦点を当てます。具体的には、CRM/SFAツールのWebフォーム機能を使ってリードを獲得し、その獲得元を管理し、獲得元別にリードを集計してレポートを作成する方法を学びます。
※なおCRM/SFAツールの参考として、Zoho CRM の画面が登場します。
それぞれのレッスンで学べること | |
コンテンツマーケティングを始める準備をする ※このレッスンで解説します。 |
|
ナーチャリングとスコアリングを活用してMQLを創出する ※レッスン 7 |
|
成果につながるコンテンツを見極める ※レッスン 8 |
|
想定シナリオ
このレッスンでは、レッスン2で設定したセキュリティ製品を扱うBtoBのソフトウェアA社のコンテンツマーケティングを例にして進めていきます。
今回のシナリオでは、セキュリティ製品を提供するBtoBのソフトウェア企業のマーケティングを担当する佐藤さんが登場します 。佐藤さんは、EBook、SNS投稿、ウェビナーなどの施策を実施しているものの、どのコンテンツが効果的なのか、獲得したリードが想定しているペルソナに合致しているのか十分に把握できていません。そのため、CRM/SFAツールを用いてリードの獲得元を管理し、マーケティング施策の効果を測定・改善していくことにしました。
このレッスンでは、佐藤さんがCRM/SFAツールを使い、リードの獲得元を管理し、獲得元別にリードを集計してレポートを作成する方法を具体的に学びます。
今回のターゲット企業と担当者の属性情報は以下のとおりです。
●企業の属性情報
カテゴリ | ペルソナ属性 |
業界 | 金融 |
所在地 | 東京 |
年商 | 50億円 |
企業規模 | 中堅企業 |
従業員数 | 300人 |
事業内容 | 金融サービスの提供 |
課題 | リモートワーク環境でのセキュリティ強化が必要 |
●担当者の属性情報
カテゴリ | ペルソナ属性 |
所属する部署 | IT部門 |
役職 | 情報システム部門 部長 |
年齢 | 45歳 男性 |
情報源 | 業界専門サイト、オンラインフォーラム、ベンダーからのセミナー |
意思決定の関与度 | 高い(セキュリティ製品の選定と予算決定に関与) |
比較検討した製品 | 他の大手セキュリティベンダーのソリューション |
ここからは、Zoho CRM を活用した具体的な手順を見ていきましょう。
CRM/SFAツールを用意する
コンテンツマーケティング施策を成功させるためには、リードの獲得元を適切に管理し、効果的なリードマネジメントを行うためのCRM/SFAツールが不可欠です。単にリードの獲得元を記録するだけでなく、効果測定、改善、さらにリードナーチャリングのプロセスまで包括的に対応できるツールを選びましょう。
特に、コンテンツマーケティングでは、獲得したリードを長期的に育成し、関係性を深めるためのリードナーチャリングが重要です。そのため、リードの獲得元を正確に把握し、チャネル別のパフォーマンスを評価できる機能、また、購買意欲を高めるためのナーチャリング施策を効率的に実行できるメール配信機能を備えたツールが適しています。さらに、開封率やクリック率などの詳細なデータを確認できるレポート機能もある、施策の改善に活かせるツールをが望ましいです。
今回はCRM/SFAツールの一例として、Zoho CRM を活用した場合の手順を学びます。
Zoho CRM のアカウントを登録する
CRM/SFAツールの重要性を理解したところで、ここからは具体的にZoho CRM のセットアップ手順に進みます。まず、Zoho CRM のトップページにアクセスし、アカウント作成のフォームに情報を入力します。Zoho CRM の無料トライアルでは、多くの機能を利用できるエンタープライズプランを15日間利用できます。使用期間終了後は、無料プランに自動的に移行されますが、同じアカウントでそのまま利用できます。
アカウント登録が完了すると、登録したメールアドレス宛に認証メールが届きます。メールに記載されたURLにアクセスし、アカウント認証を完了させましょう。認証が完了すると、Zoho CRM の画面に切り替わります。もし切り替わらない場合は、トップページ右上の「サインイン」からCRMに入りましょう。

タブの理解
アカウントの登録が完了したら、次にZoho CRM 内で情報を整理する「タブ」の基本を理解しましょう。CRM/SFAは、顧客情報や営業活動に関するさまざまなデータを、蓄積・管理するためのデータベースのような役割を果たします。Zoho CRM では、このデータベースの各セクションを「タブ」と呼びます。各タブでは、リード情報などを管理するために項目の追加や削除、並び替え、選択肢の変更などを行うことができます。例えば、[見込み客]タブには、まだ商談に至っていないリード情報が集められています。
このレッスンでは、Webフォームから取得したリード情報(まだ取引が成立していないリード)を管理するため、主に[見込み客]タブを使用します。

Webフォームを活用するとリード情報を自動的に記録できる
次に、Webフォームを活用して、コンテンツマーケティング施策で獲得したリードをCRM/SFAツールに自動登録する方法を見ていきましょう。Webフォームを使えば、リード情報の手作業での入力が不要になり、正確にデータを管理できるため、営業やマーケティング活動の効率が向上します。
さらに、Ebook、SNS投稿、ウェビナー、Web広告コンテンツといったさまざまなコンテンツごとにWebフォームを用意しておくと、リードの獲得元を把握しやすくなり、どのコンテンツが成果に貢献しているかも分析しやすくなります。
今回は、「Ebook」「SNS」「ウェビナー」「広告」の4種類のフォームを作成し、リード情報の自動登録、担当者への自動割り当て、さらにコンテンツごとの分析が行えるように設定します。
リード獲得元の設定値をカスタマイズする
Webフォームを使って獲得したリードの獲得元を把握するため、まず必要な基本設定を行います。Zoho CRM のデフォルトの設定には、「Ebook」「SNS」「ウェビナー」「広告」といった獲得元の設定値が含まれていないため、カスタマイズして追加します。

<リード獲得元の設定値追加手順>
- [設定]→[カスタマイズ]→[タブと項目]→[見込み客] を選択します。
- [項目] タブ→[項目の作成と編集] を押下し、 [見込み客情報] の「見込み客のデータ元」の [•••] を選択し、 [プロパティの編集] を押下します。
- [選択リストの値] の [歯車マーク]→[選択肢を一括で追加する]→「Ebook」「SNS」「ウェビナー」「広告」「問い合わせ」を入力し、 [値を追加する] ボタンを押下し、 [保存する] ボタンを押下すれば完了です。
営業担当者のユーザーアカウント作成
続いて、Webフォームから獲得したリードを適切な担当者に割り当てるため、まずは担当者のユーザーアカウントを作成する必要があります。リードを獲得した当初は、マーケティング担当の佐藤さんがすべてのリードを担当します。佐藤さんは、レッスン7で学ぶナーチャリングを実施し、営業に引き渡すリード(MQL)と判断した場合に、以下の担当者に割り当てます。
施策 | 営業担当者 |
Ebook | 田中吾郎 |
SNS | 菊池綾香 |
ウェビナー | |
広告 | 渋沢優也 |
ここでは、例として 田中吾郎さん のユーザーアカウントを作成する手順を学びます。他の担当者やマーケティング担当の佐藤さんも同様の手順で作成してください。

<営業担当者のユーザーアカウント作成の手順>
- [設定]→[一般]→[ユーザー] に移動します。
- [+新しいユーザー] ボタンを押下します。
- 田中吾郎さんの 基本情報 (氏名、メールアドレスなど)を入力します。
- [保存する] ボタンを押下します。
リードの状態を把握するステータスの定義とカスタマイズ
リードナーチャリングやMQL創出を効率的に行うためには、リードステータスを明確に定義し、管理することが重要です。Zoho CRM では、リードステータス項目をカスタマイズすることで、それぞれの状況に応じたステータスを設定できます。
今回は、リードの興味関心度合いに応じて、以下のステータスを設定します。
どのリードに誰がどのようなフォローを行うべきかを明らかにできるように管理を行いましょう。
手順 | 内容 |
コールド | リードに登録された当初の状態。まだ興味関心が低い状態。 |
ウォーム | ナーチャリングやスコアリングによって、ある程度の興味関心が見られる状態。 |
ホット | 購買意欲が高く、営業に引き渡す準備ができた状態。 |

<リードステータス項目のカスタマイズ手順>
- [設定]→[カスタマイズ]セクションの[タブと項目]→[見込み客]を押下します。
- [項目]タブ→[項目の作成と編集]ボタンを押下。
- [見込み客ステータス]の右側にある[•••]を選択し、[プロパティの編集]を選択します。
- [選択リストの値]に「コールド」「ウォーム」「ホット」を追加し、[完了する]ボタン→[保存する]ボタンを押下したら完了です。
Webフォームの作成と担当者の割り当て
ここでは、例として「Ebook」のWebフォームを作成する手順を学びます。他のコンテンツついても同様に作成してください。

<Webフォームの作成と担当者の割り当ての手順>
手順 | 内容 |
ステップ1: |
|
ステップ2: |
|
ステップ3: |
|
ステップ4: |
|
ワークフローの作成
次に、Webフォームから新しいリードが作成された際に、担当者へ自動的にメール通知が送信されるようにワークフローを作成しましょう。
ワークフローとは
Zoho CRM のワークフロー機能は、メール送信、タスク作成、通知、データ更新などを自動化することで、担当者の負担を軽減し、業務効率を大幅に向上させられます。特定の条件を満たしたときに自動的に処理を実行する仕組みを構築することで、以下の業務を自動化できます。
項目 | 内容 |
リードナーチャリング |
|
顧客管理 |
|
営業支援 |
|
マーケティング活動 |
|
その他 |
|
ワークフローの作成手順
ここでは、Webフォームから新しいリードが作成された際に自動メール通知が送信されるようにワークフローを作成します。

<ワークフローの作成手順>
手順 | 内容 |
ステップ1: |
|
ステップ2: |
|
ステップ3: |
|
レポートでリードを確認・集計する
ここでは、レポート機能を使ってリードの獲得元別の数値を確認する方法を学びます。Zoho CRM に記録されたリード情報を基に、「Ebook」「SNS」「広告」のそれぞれの獲得元からどれだけのリードが獲得できているのかを把握します。
レポートの作成の準備
まず、サンプルデータとして、作成したリード情報を含むExcelファイルをZoho CRM にインポートする手順を学びます。
academy_サンプルデータはこちらからダウンロードできます。

<Excelデータのインポート手順>
手順 | 内容 |
ステップ1: |
|
レポートの作成
Zoho CRM のレポート機能では、リードや商談などに関するさまざまなデータを簡単に集計し、可視化できます。ここでは、リードの獲得元別にリード数を集計するレポートを作成する手順を学びます。

<レポート作成手順>
手順 | 内容 |
ステップ1: |
|
ステップ2: |
3. [保存する] ボタンを押下したら完了です。 |
このレッスンでは、Zoho CRM を使ってリードの獲得元を管理し、獲得元ごとにリードを集計し、レポートを作成する方法を学びました。Webフォームの作成からワークフローの設定、レポートの集計・作成まで、一連の流れを理解することで、次のステップであるナーチャリングの準備が整います。
次のレッスンでは、「ナーチャリングとスコアリングを活用してMQLを創出する」方法を学びます。これらの手法を習得することで、より多くのリードを顧客に変えることができるようになります。
評価
このコンテンツは役に立ちましたか?
入力ありがとうございました。
あなたからの評価
コメント