「メールマーケティングツールを導入したいけれど、費用対効果が合うか心配」「料金相場を知りたいけれど、複数のベンダーに問い合わせるのは手間がかかる」──このようなお悩みをお持ちではありませんか?
メールマーケティングは、効率的に見込み客や既存顧客にアプローチし、ビジネス成長を促進するための強力な手段です。しかし、ツールごとに料金体系や機能が異なるため、自社に最適なツール選びに迷うケースも少なくありません。料金相場や特徴、費用対効果を事前に把握することで、ニーズに合った選択が可能になります。
本記事では、メールマーケティングの料金相場や導入効果を詳しく解説するとともに、初期費用や運用コストを抑えながら効果を最大化するポイントや、ツール選定のコツを紹介します。費用対効果に悩む方や、限られた予算内で最大の成果を目指したい方に役立つ情報をお届けします。
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目次
メールマーケティングツールの料金相場・導入費用
まずはメールマーケティングツールの料金相場や導入費用について、詳しく見ていきましょう。
クラウド型とオンプレミス型の違い
メールマーケティングツールには、「クラウド型」と「オンプレミス型」という運用環境の異なる2つの方式があります。
- クラウド型:インターネット経由で提供されるサービスで、サーバー管理や保守が不要です。初期費用が低く、スピーディに導入可能です。アクセスや管理が容易ですが、データの管理はサービス提供側に依存します。
- オンプレミス型:自社サーバーにシステムを設置・運用する方式で、データ管理やセキュリティを自社でコントロールできます。初期費用は高めですが、カスタマイズの自由度が高く、大規模な運用に適しています。ただし、インフラの構築・管理には専門知識と運用コストがかかります。
クラウド型の特徴と料金相場
クラウド型のメールマーケティングツールは、オンライン上で簡単に利用できる手軽な運用や拡張性が魅力です。
また、サービス提供側がセキュリティとシステムの保守管理を行うため、自社でのメンテナンス負担が軽減されます。
クラウド型メールマーケティングツールの料金は、一般的に登録アドレス数や配信数によって変動する従量課金が一般的で、無料のものから月額数十万円以上かかるものまであります。
料金相場(月額) | 概要 |
---|---|
無料 | 期限の定めなく使える無料プランがあるサービスもあります。使える機能は限定的で、メール内にサービスロゴが表示されるなどの制限があります。 |
数千円~1万円程度 | 小規模なリスト(1,000~5,000件程度)向けで、基本的な配信やレポート機能が使えるものが多いです。 |
1万円~数万円 | 中規模なリスト(1万~5万件程度)向けで、高度なセグメント配信やA/Bテスト、オートメーション(自動配信)などの機能が充実したサービスが一般的です。 |
数万円~数十万円以上 | 大規模なリスト向けで、高度な分析やカスタマイズが必要な場合。専用のサポートやWebマーケティング機能が使えるサービスもあります。 |
オンプレミス型の特徴と料金相場
オンプレミス型のメールマーケティングツールは、自社内サーバーに設置・運用するタイプで、特にデータ管理の自由度が高いのが特徴です。
オンプレミス型の料金は、導入費用とランニングコストに分けられます。
費用の種類 | 料金相場・概要 |
---|---|
導入費用 | 初期導入時には、サーバー費用、ライセンス費用、カスタマイズ費用がかかり、通常数百万円~となります。小規模な導入でも最低100万円以上は見込む必要があり、規模が大きくなるほどカスタマイズ費用も増加します |
ランニングコスト | メンテナンスやシステム更新のための保守費用が月数万円~程度かかることが多いです。 |
導入費用の内訳と算出方法
ここからは、クラウド型のメールマーケティングツールの導入費用の内訳と算出方法について見ていきます。
初期費用・月額費用・追加費用
多くのクラウド型メールマーケティングツールでは初期費用が無料か低額(1〜10万円程度)に抑えられており、月額費用は登録アドレス数や配信数によって変動する従量課金型が一般的です。
機能追加やサポート費用、トレーニング費用が別途かかる場合もあるため、事前に確認が必要です。
登録アドレス数や配信数に基づく料金体系
月額料金は、ツールの提供会社やプラン内容によって大きく異なりますが、おおよそ以下のような相場が一般的です。
<登録アドレス数に基づく料金体系>
プランの規模 (アドレス数) | 料金相場と概要 |
小規模 (~5,000件) | 無料〜1万円/月程度。基本機能のみ提供される場合が多いです。特に無料プランでは使える機能が限定的で、メール内にサービスロゴが表示されるなどの制限があります。 |
中規模 (~50,000件) | 2万円〜10万円/月程度で、セグメント配信やA/Bテスト、オートメーション(メールの自動配信)などの機能が充実しているものが多いです。 |
大規模 (50,000件~) | 数万円~数十万円以上。高度な分析やサポートが充実しているものが多いです。 |
<配信数に基づく料金体系>
プランの規模 (月間上限通数) | 料金相場と概要 |
小規模 (~5万通) | 無料〜1万円/月程度。基本機能のみ提供される場合が多いです。特に無料プランでは使える機能が限定的で、メール内にサービスロゴが表示されるなどの制限があります。 |
中規模 (~30万通) | 2万円〜10万円/月程度で、セグメント配信やA/Bテスト、オートメーション(メールの自動配信)などの機能が充実しているものが多いです。 |
大規模 (30万通~) | 数万円~数十万円以上。高度な分析やサポートが充実しているものが多いです。 |
一般的には、メールの送信頻度が高い場合は登録アドレス数に基づく(配信数無制限の)料金体系を、送信頻度が低い場合には配信数に基づく料金体系を選択するとお得になることが多いです。
自社の送信頻度を考えて選択するとよいでしょう。
無料プランと有料プランの違い
メールマーケティングツールには無料プランと有料プランがあり、それぞれ配信数や機能に違いがあります。
- 登録アドレス数や配信数の違い
無料プランでは登録アドレス数が1,000件程度までのものが多く、配信回数や配信通数が制限されています。有料プランでは配信数の上限が大幅に緩和され、配信数無制限のプランを提供している場合もあります。
- 機能面の違い
無料プランでは基本的な配信機能のみに限定されるのに対し、有料プランではセグメント配信やパーソナライズ、オートメーションやA/Bテストなどの高度な機能が利用でき、より戦略的なマーケティング施策が可能になります。
メールマーケティングの費用対効果
メールマーケティングツールの費用対効果について詳しく見ていきましょう。
メールマーケティングが費用対効果に優れている理由
メールマーケティングが費用対効果に優れている理由は、大きく3つあります。
低予算で顧客情報を最大限活用できる
メールマーケティングツールは月額数千円~と比較的低コストで利用でき、一度に多くの顧客へアプローチできるため、費用を抑えつつ広範囲にリーチできます。
また、顧客の属性や行動データを基にしたセグメント配信が可能で、ターゲットを絞ることで開封率やコンバージョン率を向上させることができます。
自社の資産である顧客情報を活用し、個々の顧客に合わせたパーソナライズされたメッセージを配信できるため、限られた予算内で高いリターンが期待できます。
顧客への直接的な訴求が可能
メールを用いたメッセージは顧客の受信箱に直接届くため、ダイレクトなコミュニケーションが可能です。興味のある内容や特典を提供することで、開封率やクリック率が向上し、購入やサービス利用の促進につながります。
また、こうした直接的な訴求力により、エンゲージメントも高まります。
他のマーケティング手法との費用対効果の比較
他のマーケティング手法――例えばテレビCMや展示会、ダイレクトメール(郵送)といったオフライン施策、またはリスティング広告やSNS広告といったオンライン施策――と比較すると、メールマーケティングはコストが相対的に低く、長期的な顧客関係を構築しやすいという利点があります。
一般に、マーケティングファネル(認知、興味・関心、比較・検討、購入)の各フェーズでは、それぞれ異なる施策が求められます。
下図はフェーズごとの施策の一例です。メールマーケティングは、顕在層から既存顧客に対して特に効果的な施策と言われています。

次に、メールマーケティングと比較的性質が近い他のマーケティング手法について、費用対効果をまとめた表を示します。
マーケティング手法 | 費用(目安)*1 | 費用対効果の例 | 特徴 |
---|---|---|---|
メールマーケティング | 数千円~1万円/月 | 平均開封率:18-22%*2 平均クリック率:2-3%*2 平均登録解除率:0.1-0.5%*2 平均CVR:1.22%*2 | B2B、B2Cともに有効 登録解除率が低く長期的な接点を持ちやすい |
LINE公式アカウント | 5,000円 or 15,000円/月*3 | 平均開封率:55%*4 平均クリック率:25%*5 平均ブロック率:20-30%*6 | 特にB2Cに有効 開封率が高くリーチしやすい ブロック率が高く新規獲得コストがかかる |
DM(はがき、封書) | 70万円~/回 | 平均開封率:58.5%*7 | 特にB2Cに有効 開封率が高いとされるが計測が困難 住所を含めた詳細な個人情報の管理が必要 コストが相対的に高い |
*1:登録アドレス数及びDMの送付数を5,000件、DMの印刷単価を約70円、はがき単価85円とした場合。
*2:引用:メールマーケティングにまつわる33の統計データ
*3:参照:LINE 公式アカウント 料金プラン
*4:引用:メッセージ配信‐LINEキャンパス
*4:引用:LINE公式アカウントを使うべき5つのメリット
*5:引用:LINE公式アカウントのブロック率はどれくらい?
*6:引用:DMの平均開封率はどれくらい?
メールマーケティングはB2B、B2C両方に有効かつ低コストな施策であり、他と比べても登録解除率が低く長期的な接点を持ちやすい手法であると言えます。
ただ、上記はあくまで平均値や目安です。自社のターゲット層や目的に応じて、複数の手法を併用したり使い分けるなどして、最適なマーケティング手法を選ぶことが重要です。
費用対効果を高めるためのツールと施策
メールマーケティングの費用対効果をより高めるには、どのようなツールや施策を用いたらよいのでしょうか。
メール配信システムとMAツール
メール配信システムまたはMA(マーケティングオートメーション)ツールの導入により、メールの自動送信や顧客データの統合が可能になり、配信業務を効率化できます。
例えば、顧客の行動データに基づいて、適切なタイミングでリマインドやキャンペーンメールを自動的に送れるため、リソースを削減しつつ精度の高いマーケティングが可能となり、費用対効果が向上します。
ターゲティングメール(セグメント配信)
顧客を年齢や購入履歴、興味関心などに応じてセグメント化し、ターゲティングメールを配信することで、個々の顧客のニーズに合ったコンテンツを提供できます。
これにより、開封率やクリック率が向上し、成果に直結するメール配信が可能となります。また、メッセージの届け先が絞られるため無駄な配信を削減でき、コストを抑えつつ成果を得られます。
ステップメール
ステップメールは、事前に設定した内容をスケジュールに従って段階的に送信する方法で、商品理解を深めたり、購買への動線を確立したりできます。
例えば、見込み客に段階的に情報提供しながら購買を促すことで、育成コストを抑え、コンバージョンを高められます。ステップメールを一度設定すればフォローが自動化されるため、少ないリソースで継続的なアプローチが可能です。
シナリオメール
シナリオメールは、顧客の行動(例えばカート放棄やサイト訪問など)に基づいて設定されたシナリオに応じてメールを送信します。
例えば、カート放棄(カゴ落ち)した人に対してリマインドメールを送ることで、購入を再検討してもらう効果が期待できます。
こうしたタイミングや行動に基づく配信は、顧客の関心が高まっている瞬間にアプローチするため、通常のメールよりもコンバージョン率が高まり、より効率的に成果が得られます。
休眠顧客の掘り起こしメール
休眠顧客の掘り起こしメールは、休眠顧客に対してリマインドや特典を含むメールを送ることで、再利用や再購入の機会を提供します。
通常、新規顧客を獲得するよりも既存顧客の掘り起こしの方がコストが低いため、収益の改善に直結します。
メールマーケティングツール導入時の注意点
メールマーケティングツールを導入する際の注意点についても見ていきましょう。
契約期間と追加料金の確認
メールマーケティングツールの導入に際しては、契約期間と追加料金の条件をしっかり確認することが重要です。
契約期間が長期にわたると途中解約時にペナルティが発生する場合もあるため、自社の利用予定と合っているかを事前に確認しましょう。
また、メール配信数や顧客リストの増加に伴って追加料金が発生するケースもあるため、コストの変動がないか確認し、将来的なコスト予測を立てておくと安心です。
目的別に必要な機能の見極め方
ツールには多機能なものもありますが、導入目的に合った機能が備わっているかを見極めることが重要です。
シンプルなメール配信に適した機能
シンプルなメール配信が目的であれば、リスト管理やワンクリックの登録解除、画像の入ったメールを簡単に作成できるHTMLメールエディター、予約配信、自動のレポート機能があればまずは十分です。
メールの件名や本文を改善してより効果の高いメール配信を行うためには、A/Bテストの機能があるとなお良いでしょう。
見込み客の獲得(リードジェネレーション)に役立つ機能
見込み客の獲得をしたい場合は、登録フォームの機能があると便利です。作成したフォームをWebサイトやブログに埋め込んでおけば、メルマガ購読者を獲得できます。
自動でリストに追加されるタイプのフォームであれば手作業による追加が不要なため便利です。登録フォームの形式を埋め込み型やバナー、ポップアップなどのさまざまなタイプから選べるツールもあります。
見込み客の育成(リードナーチャリング)に効果的な機能
メールで見込み客の育成を行いたい場合は、条件に応じて自動でフォローできるステップメールやシナリオメールの機能が不可欠です。
また、見込み客の興味関心の度合いに応じてスコアが蓄積されるスコアリング機能があると、確度の高い見込み客を抽出しやすくなります。
商談の創出に効果的な機能
メールマーケティングにより商談を創出するには、セグメント配信が有効です。顧客の行動データや属性をもとにセグメント分けし、それぞれのニーズに合わせたメールを送ることで、商談の可能性を引き上げます。例えば、特定の業種や会社規模に応じて内容を変えたり、過去にウェビナーに参加したリードにフォローアップメールを送るなど、より具体的なニーズに沿ったアプローチが可能になります。自社の顧客管理システムやCRMと連携して「見積もり提出後未受注」「一定期間未購入(休眠顧客)」などの条件で対象となる顧客を抽出し、特典付きのメールを送るなどの施策も効果的です。
メールマーケティングの費用を抑える方法
メールマーケティングの費用を抑えるには、無駄なコストを削減し、長期的に運用可能なツールを選ぶことが重要です。
まずは、導入前に無料プランや無料トライアルを活用してツールの効果を検証しましょう。
また、配信リストを最適化し、事前に「同意を得たマーケティング対象者」を精査することも大切です。
そして、自社の運用に必要な機能を見極め、予算に合った適切なツールを選定することで、コストを抑えつつ高い効果を得ることができます。
無料プランの特徴と制限
メールマーケティングツールの無料プランは、基本的な機能を無期限で利用できる点が特徴です。一定数のメール配信や簡易的な分析機能を備えているため、初期段階でのテスト運用や小規模なマーケティングには適しています。
ただし、多くの場合、月間の配信数や登録可能なメールアドレス数に上限が設けられているほか、ステップメールや高度なセグメント配信などの機能が制限されることがあります。
また、ツールによっては広告が表示される場合もあり、運用の自由度が制限される点には注意が必要です。
必要な機能を絞り費用を抑える方法
メールマーケティングの費用を抑えるには、まず配信リストを最適化し、事前に「同意を得たマーケティング対象者」を精査することが重要です。これにより、無効な登録アドレスや不要な配信を減らすことができます。
さらに、目的に応じて必要な機能を見極め、多機能すぎないシンプルなツールを選ぶことで、導入後の運用負担を軽減し、費用対効果を高めることができます。導入時は必要最低限の機能でスタートし、運用状況に応じて機能を追加・拡張できる柔軟なツールを選ぶと、無駄を最小限に抑えられるでしょう。
メールマーケティングの目的別に、必要な機能や便利な機能を表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目的 | 必要な機能 | 便利な機能 |
---|---|---|
HTMLメールを配信したい | HTMLメール作成 一斉配信 | 予約配信 ワンクリックの登録解除 スパム判定ツールや自動のレビュー機能 |
セグメント配信がしたい | セグメント | パーソナライズ |
ステップメールを送りたい | ステップメール | 高度なオートメーション(ワークフロー) |
育成(ナーチャリング)や休眠顧客の掘り起こしなどを自動で行いたい | 高度なオートメーション(ワークフロー) | CRM など外部ツールとの連携・同期 |
まとめ:メールマーケティングの費用対効果を考えて導入検討!
メールマーケティングは、コストパフォーマンスに優れたマーケティング手法として、多くの企業に採用されています。その特徴は、比較的低コストでありながら、見込み客や既存顧客との長期的な関係を構築しやすい点にあります。
効果的なメールマーケティングを実現するためには、自社の目的やターゲット層に合ったツール選びが鍵となります。ステップメールやセグメント配信など、自社の目標達成に必要な機能に重点を置き、運用の簡便さや拡張性も考慮しましょう。
メールマーケティングは、導入時の初期投資を抑えながら、持続可能な成長を実現できる効果的な手段です。目的に合ったツールを活用し、戦略的に運用することで、効率的なマーケティングを展開し、顧客との関係を深めていきましょう。
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